あ、量子力学だ!
なんてピンとくる方は(専門家でなければ)それなりに基礎体力があるとお見受けします。
ここでいう基礎体力とは、諸々の分野の基本的な事柄をそれなりに知っているという意味です。これに加えて、論理的な思考ができ、なにが非常識かを弁別できるだけの常識を有し、かつそれなりの文章構成力と気の利いたレトリック感覚を持ち合わせていれば、もちろんテーマとかモチーフを確立していれば――濠門長恭クンくらいの小説を書けます。謙遜してんだか自惚れてんだか。
は、さておき。
量子力学は関係ございません。数学も関係ございません。
あえて分類するなら、人間工学的な内容でしょうかしら。
と、モッタイの五段重ねの大風呂敷。
いえ。水道の蛇口。厳密に言うと蛇口ではなく水道のカラン、水栓のことです。
レバー式のやつ。レバーを上げれば水が出て、押し下げれば止まる。だいたい、こんなのは水飲み場や足洗い場にはついていませんね。学校でもしかり。最近は学校では水道水を直飲みしないとかは、デファレンシャル・コーナーキック(お門違いなので蹴飛ばして)。
だいたい、レバー式は右へひねれば(反時計回り)水になって、左へひねれば湯になる。温度調節はレバーの水平面内の角度で行なう。などと、厳密だがややこしい説明。
ここで、なんとなくの思い込みが登場します。
直角の位置が中点で、そこから左右への振れ角度は等しい――と、漠然と思ってらっしゃらりるれろ誤人が多いのではないでしょうかあるでしょうか。
実は。洗面所のレバー式水栓が、もう何か月も水がよぼっていたのです。「よぼる」中国(Not Chines)から兵庫へかけての方言?
ふつうの回転式カランのコマだったら、自力で交換しますけどね。レバー式をネットで調べると、ややこしいみたいだし、メーカー毎に部品も違う。ので、大枚17,345円で近在の工務店に交換してもらいました。水の110番だったら、もっと安いかもしれませんが、あれこれ追加工事をやらかしたがるボルタック商店もあるし。顔見知りのとこなら、不具合があっても対応してくれますから。
電話して、確認にくるまで3日、メーカーに問い合わせるのに10日、部品到着までさらに5日でしたが。
ともかく、修理してもらったのです。その結果が、これです。汚れているのは20年以上も使ってきたせいです。
表題の意味は(ここまで¥¥と書き連ねてきたことでもあるし)一目が瞭然としていますね。
左右の振れ角が対象でない。中点が左へ寄っています。
最初は「なに、これ?」だったのですが。よくよくつらつらじっくり考えるに、非常に合理的だなと思うようになりました。
左側はシャワーヘッドが立ち上がっているので、こやつも首を振るので、レバーとの間に物を置きにくいです。
右への振れ角を小さくすれば、上の写真のように空間を有効活用できます。
ここまで考えて設定してくれたのか、単にズボラなだけで中点を適当にやっつけたのかは、わざわざ電話して尋ねたりはしませんでしたが。
もしもコミックとかで、こんなところまで描き込んであれば。
「むむ。おぬし、やるな」であります。
小説でこんなところまで書き込んであれば(ミステリーの謎解きの伏線ならともかく)AHOであります。
文章表現と映像/画像表現とは異なる……あれ? こんな結論に持ってくはずじゃなかったんですけどね?