デジグネーション(designation)

 これ、語源は何ですかね。design+ation?
 なお、このスペルでのgは有声です。デジネーションではありません。
 無声なのは、アル・カポネとサンダース軍曹御用達の短機関銃。tompsonはトンプソンではなくトムソンです。しかしニチホンゴ圏では、トンプソンの有声が圧倒的絶対的優勢です。
 「いまだに」という副詞は「未だに」と表記するのが正しくて「今だに」は間違いとされていますが、言葉の成り立ちとしては、「今になっても~していない」ですから、「実のひとつだに無きぞ哀しき」と同じ用法ですから、「今だに」のほうが正しいのでもあります。
 つまり、烏賊にオタンコナスでも、現在の慣行を『正』と茄子。
 耳触りが良い(目障りからの誤転用)、鳥肌が立つ(本来は恐怖表現)、勇気をもらった(勇気は譲渡不可です)などなど。
 脱線修復。
 continue designation
 英語圏でどれくらの範囲まで使われている言葉か知りませんが、ヤフりませんが。ニチホンのミリヲタ限定で謂えば、軍用機の識別符号でしょう。F4F-3とかP-51DとかMe109とかですね。日本だとA6M2bとかありますが、ゼロ戦21型のほうが通りが良いです。
 ちなみに、ゼロ戦という表記は、少年サンデー(だったかマガジン)の『ゼロ戦レッド』が嚆矢でしょう。零式艦上戦闘機、略して零戦は、戦時中でも「レイセン」のほかに「ゼロセン」とも呼ばれていました。ちなみに、「にじゅういちがた」ではなく「にいいちがた」です。最初の数字は設計連番、2番目は発動機です。11型が初期型で、若干の仕様変更(着艦フックとか)を施したのが21型。ロールレートの改善と高速化を狙って両翼端を50cmずつ切り詰めて発動機も換装したのが32型。ところが、航続力が不足して(主翼を切り詰める=アスペクト比を下げると、効率が低下します)、元の設計に戻した(ただし、空母のエレベーターの幅に余裕を持たせるため、50cmずつの折り畳み機構を追加)のが22型です。32型では翼端を単純に切り落としていた(シルエットから、米軍では新型戦闘機と誤認)のを丸く成形して空力性能を改善したのが52型。4は艶戯[第一候補がこれかよ]が悪いので飛ばしたのでしょう。52型は集合排気管だの爆装だので、末尾にa,b,cの区分があったはず。思い切って発動機を大馬力化したのが63型ですが、これはペーパープランだったか試作だけだったか、たしか実戦参加してないはずです。
 「永遠のゼロ」で22型より52型のほうが高性能という記述があります。最大速度とか防弾設備では、たしかにそうでしょうが、翼面隻が減って著しく重量増加したのですから、上昇力も運動性もガタ落ちです。だいいち、女学生が作った発動機ですよ? 作者はそこらを知っていたのかどうか。まあ、クライマックスの垂直急上昇反転急降下は、52型では失敗していたかもですね。
 ちなみに(ちなみ4乗?)。発動機が同じ場合、航空機の重量ではそれほど速度差が出ません。違ってくるのは上昇率です。詳しく知りたい読者は、加藤寛一郎東大名誉教授の著作あたりを当たって下さい。義理チョコッとでも航空理論を知っていれば、自明なんですけどね。(威張

 ゼロ戦談義はやめて。このデジグネーション。各国でバラバラです。
 わかりやすいのは、現代の米空軍ですね。戦闘機はF、攻撃機はA、輸送機はCなど。で、試作順に番号を振っています。1950年代は、F100に始まる戦闘機群があって、センチュリー・シリーズなんて宣伝してましたが、F4ファントムⅡ(以前にファントムという機材があった)あたりから、若返りました。
 F5フリーダムファイター、F6なんだっけ、F7カットラス、F8クルセーダー。カタカナ部分は愛称です。
 で、ずうっときてF14、F15、F16(これ、1974年初飛行。古いといえば古い。平和といえば平和)。F17はF18とのコンペで敗けて正式化されず。で、ずうううううううっと試作失敗ですかしら。F20はエリア88で採用されましたが。米空軍は、F22とF32です。
 1950年頃より昔は、アメリカ海軍(空軍として統合される前)もちょいとややこしかったです。たとえばF4F-3。最初のFはFighterですが、3桁目のFは各製造会社に割り振られた識別符号。デジグネーションの意味は、グラマン社で作った4番目の戦闘機のVerosin3です。
 チャンスヴォート社はUなので、例の逆ガル翼はF4Uですが、戦闘機という以外、F4Fとは関係がありません。あ、エンジンも同じダブルワスプ2千馬力ですね。ツインワスプ? キオクニアリマセン。
 ところで。このF4F-3。グラマン社は、ズングリ胴体に車輪を引き込むというデザインを踏襲しています。F1Fが解放風防の複葉機、F2Fはなんだっけ。F3Fも複葉機ですが密閉風防です。で、4番目の試作命令が来たら、基本的にはF3Fを馬力アップしただけのを試作して、すでに時代は低翼単葉。ライバルの試作機にケチョンケチョン。たしか、米海軍からも大目玉喰らったんでした。
 で、慌てて大変更したのが、F4F-3。ちなみにF4F-4で、鳥の羽根みたいに主翼の付け根から折りたたむ機構を採り入れました。おかげで空母の収容効率が大幅アップ。ここらも、日本帝国海軍が負けた一因ですかね。
 写真を載せときます。引用元 F3F-1:WWW.angelfire.com F4F-4:wikipedia
F4F-1&4.jpg
 アメリカ陸軍航空隊は、昔から1文字識別(補助機に2文字もあったっけ)。BはBakugekiki Bomber ですが、戦闘機がPというのは、Persuiterの略。追求、難しくいうと追躡です。ドッグファイトをするのでなく、敵の爆撃機を追いかけて撃墜するという、戦闘機本来の任務に忠実です。
は、ともかく。P-51Dを例に取ると。(ハイフンが入ります)
英国からのレンドリース法かなにかの要求で、地上攻撃機A-36アパッシェを超突貫設計&工作で仕上げて。性能抜群なので戦闘機に改造されたのがP-51Bムスタング。高空性能の悪い(地上攻撃なら、それで十分)アリソン・エンジンからロールスロイス(ターボチャージャーではなく、機械式2段3速いや2速?)に換装したのがP51-C。性能が飛躍するのはわかりきっていましたが、ロールスロイス・エンジンは引っ張り蛸(凧?)で、アメリカ国内でライセンス生産されるようになってようやく、割り当てが巡ってきたのです。で、全周視界のバブル・キャノピー(水滴型風防)になったのがP-51Dです。
 ちなみに、RAF(Royal Air Force)には、記号のデジグネーションはありません。スピットファイアとかハリケーンが正式名称です。で、改造するごとにMkⅡ、MkⅢ……スピットはマークXXIIだかXXVIIIだかまであったはず。あれこれ改良して、エンジンも1千馬力から2千馬力までパワーアップ。2千馬力の機首なんか、でかいエンジンを咥えて顎が外れたフォルムです。イギリス人って、物持ちがいいんですよね。なんたって、艦上雷撃機なんか、鋼管骨組羽布張の複葉機ソードフィッシュにレーダーだのロケット弾だの主翼折り畳みだの装備して使いまわしてたんですから。

 デジグネーションが欧州事情みたいに複雑怪奇なのがLuftWaffeドイツ空軍。
 Bf109。Bfは、BMW……じゃなかった。バイエリッシュ・フルークツォイク・ヴェルケ。バイエルン飛行機工場の略号です。バイエルンは土地の名前です。東淀川航空機製造工場みたいなものですね。ちなみの斜め上で、BMWは、バイエリッシュ・モートル・ヴェルケ。バイエルン自動車工場でしたっけね。有難味が薄れます。
 通称メッサーシュミットなのにBfというのは、あとでメッサー社がBFWを乗っ取りだか吸収だかライセンス譲渡だかしたからです。
 メッサーシュミットなら、Me163、Me262、Me321などなど、綺羅も駄作も星の如く。
 で、この3桁。拙にはデタラメにしか思えません。Me321の大型輸送グライダーに6発エンジンを装備したのがナウシカのバカガラスことMe323。Me322という機体もあったようですから、これは分かりやすいほうですが。
 万能双発軍用機Ju88の後継機(というかヴァージョンアップ)が、Ju188。さらに改設計してJu288。どんどん進めてJu988になったら、どうすんだよ。
 B797の次も心配です。小松左京のSFみたく「B7超7」はないです。開き直って、B7A7? あと25世代続けられます。あ、IとOは省くか?
 Warp Out!
 Bf109(=Me109)の後継機がMe309。あ、小改造版はBf109e(エミル)とかです。ちなみに、Me209は偽装製品です。まったく別設計の高速度研究機がMe109に似たフォルムなので、実用戦闘機をチョコレート改造しただけで、こんな凄いのが出来るんだぞ。世界に冠たるドイツ!
 だんだん良くなるフォッケのウルフにしても。Fw190はFw190aからFw190cまで性能向上させていって、空冷エンジンを液冷エンジンに換装して大幅性能向上してもFw190d(長っ鼻のドーラ)。なのに、さらなる性能向上を目指すと、設計者のクルト・タンク技師が、ライバルのメッサーシュミット博士みたく、自分の名を付けたいとゴネて、Ta152。Taはともかく、152ってなんじゃい? 高々度戦闘機としてアスペクト比を滅茶苦茶に(14だっけ?)上げてTa152H。これは追番でなく、Hoch(英訳:High)です。
 さらに。Me262は、Me262a戦闘機型とMe262b爆撃機型(ab逆かな?)はともかく。実はMe263てのがあります。ところが心太。こいつは、ロケット戦闘機Me163の性能向上版です。Me262のほうは、離陸時とか緊急起動時にロケットも併用するMe262cとか。
 ハッキリ言って、歴史の流れを無視した「朝鮮出兵ミグ1機(391)」「いい国(1192)作ろう鎌倉幕府」「医師急場(1498)バスコ・ダ・ガマの脈を取り」「いよう国(1492)が見えたとコロンブス」「匂い無し(2017)SMX工房」丸暗記です。

 わりと簡単だがややこしいのが、ソ連とロシア。設計局長の名前を冠します。ミコヤンとグレビッチの二人羽織がMiG。Migではありません。スホーイさんがSu。ツポレフさんがTu。各局ごとの連番ですが、戦闘機は奇数、その他(爆撃機メイン)が偶数。MiG15,17,19と、あたしの人生華やかだった。
 もちろんご存知でしょうが、ファゴット、フレスコ、ファーマーは西側(NATO)の識別コード。戦闘機は頭文字DでなくF。基本的に印象悪い単語を選びます。お百姓さん、文句はNATOに言ってくださいね。爆撃機にいたっては、バックファイヤですものね。

 最後に、A6M2bの解説。
 艦載戦闘機(A)の6番目で三菱(M)に発注して、大改修を1回して(元号が1から始まるのと同じ)、さらに小改造もしている(1回だっけ、2回だっけ)という意味です。これはデジグネーションというより内部記号、開発記号です。
 ついでに陸軍。とにかく、なんでもかんでも「キ」連番。キジルシでなくキタイです。エンジンはメーカーに関係なく「ハ」ツドウキ。

 まあね。こういうことを知ってたって、戦争小説(コミック)を書くとき以外は役に立ちませんが。名だたる作家がUS800書いてたら、ググる基礎体力も無い(間違いを信じ込んでる)のだと断定して、そこでブン投げるというフィルターにはなります。
 勝谷某というジャーナリストが2015年頃のコラムで、日本海上自衛隊(Japan Navy)の潜水艦も、仮想敵艦に向かってパッシブ・ソナーを打てなんて、珍妙極まりないことを書いてました。まさか、アクティブをパッシブと誤植するはずもないし。てか、電子版組なら原稿まんまでしょ。こういう間違いをやらかすと、いくらスリランカ旧名(セイロン)を吐いたところで、「へへへ、もう濡れてるじゃねえか」眉唾です。

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